ZEB(ゼブ)の定義は?

ZEB(ゼロエネルギービル)とは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称です。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費するエネルギーをゼロにすることを目指した建物です。
ZEBでは、高効率な設備システムの導入により室内環境の質を維持しつつ、大幅な省エネルギー化を実現します。また、消費するエネルギーを全て太陽光発電で賄うことで、エネルギー消費量の収支を実質ゼロにすることを目標にしています。
ZEBを実現するための技術

ZEBを実現するための技術は、大きく「エネルギーを減らすための技術(省エネ技術)」と「エネルギーを作るための技術(創エネ技術)」に分けられます。
実際にZEBを実現する場合には、①パッシブ技術によってエネルギーの需要を減らし、②どうしても必要となる需要についてはアクティブ技術によってエネルギーを無駄なく使用し、③そのエネルギーを創エネ技術によって賄うといったステップで検討することが重要です。
また、建物の運用段階では、どこにエネルギーの無駄が発生しているか、どのように効率的に設備を運用するかなど、エネルギーをマネジメントする技術(エネマネ技術)も重要です。このエネマネ技術によって継続的なエネルギー消費量の削減を図ることができます。
SDGsへの貢献
2030年を目標年とするSDGs17ゴールの持続可能な開発目標に向けて、ZEBの取組みは以下のような取組みが該当します。
- ZEB
- エネルギーマネジメント
- デマンドレスポンス
- CO2削減
- エネルギー効率向上
- 再生可能エネルギーの活用と普及
ZEBのメリット
ZEBの種類
ZEBを実現することのメリットには、エネルギー消費量を削減することのほかにも様々なメリットがあります。具体的には以下の4つのメリットが存在しています。
1.企業コストの削減
省・蓄・創エネルギー機器の導入により、建物の運用にかかわるエネルギー量とともに光熱費も削減することができます。企業のコスト削減や利益確保にもつながります。
2.SDGs・ESGの社会貢献
自然エネルギーの適切な活用や、利用者に配慮した空調や照明の制御などにより、省エネルギーを実現しつつ、従業員満足度の向上や心身の健康に寄与します。脱炭素化や労働環境の改善は、SDGs・ESGによる社会貢献にもつながります。
3.不動産・企業価値の向上
ZEBのような環境、エネルギーに配慮した建物は、一般的な建物と比較して不動産としての価値向上、街としての魅力の向上などにつながります。また、ZEBオフィスの見学等により、企業のブランディングやPR効果もあります。
4.BCP(事業継続計画)の向上
ZEBの種類

ZEBは、消費するエネルギー量を太陽光発電設備などから発電される再生可能エネルギーからどの程度賄えるかによって、4つの種類に分けられます。
ZEBのメリットは理解できても、かなりの投資が必要となるので二の足を踏むオーナーが多いことも事実です。そこで一挙に100%のZEBを目指すのではなく、ステップアップしていくことによってZEB化するという道もあります。
最も取り組みやすいのが、「正味50%以上の省エネルギー」を実現した建物「ZEB Ready」に取り組むことです。
その上で建築物の実態に応じて、さらなる省エネルギー化と太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入により、正味で75%の省エネルギー目指す「Nearly ZEB」、最後に「正味で100%以上の省エネルギー」を実現した「ZEB」を目指すことができます。
ZEB関連の法律改正

2022年6月に、「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(=改正建築物省エネ法)」が可決しました。
同法では、2025年度以降に、新築する全ての建築物(住宅・非住宅)に省エネ基準への適合を義務付けるとしています。
このため、300㎡未満の小規模な事業施設や全ての住宅に、改正法の適合義務が求められるようになりました。
ZEBプランナー登録
ZEBプランナーとは、ZEB実現に向けた相談窓口として、業務支援(建築設計、設備設計、設計施工、省エネ設計等)を行います。数々の高性能な建物を手がけてきた実績をもとに、貴社の中大規模木造建築・ZEBをかたちにします。
当社が受注をする建築物の50%以上をZEBとすることを2025年度の目標とし、プランニングや業務支援を行うことでZEB普及に貢献します。
当社のZEB建築

当社のZEB建築は、TSK構法(※1)やCLT工法(※2)、くまもと型伝統構法(※3)を採用した高層木造建築です。
お客様のZEB建築の実現のために、熊本県内の同業者や、材木業、建材メーカー、職長会とコラボ―レーションした「くまもと新工法木造建築研究会」を組織しています。持続可能な開発目標(SDGs)の達成を見据え、脱炭素社会に対応した大規模木造建築の建設に取り組みます。
熊本県内のZEB建築リーディングカンパニーを目指します。
ZEBを進めるためにはエネルギーに関する総合的な知見から、設備に関する知識が必要になります。
当社では地域事情に合わせたZEBのご提案を得意としております。気になる方はぜひご相談ください。
(※1)BP材(120角,150角等の木材をエポキシ樹脂で圧着した材)等)
(※2)CLT(Cross Laminated Timber)の略称で、木材を直交させて積層接着した木質構造用パネル材。
(※3)くまもと型伝統構法とは、熊本の地域特性や気候に合わせた伝統的な木造建築技術を指します。